このブログを読んでいる方の中には、
「自分の子供をバイリンガル教育したい」と
考えている方もいらっしゃるかもしれません。
僕はバイリンガル教育の専門家ではありませんが、
英語学習の探究者としてそして海外で子供をバイリンガル教育する親として
考察を述べていきたいと思います。
始めに結論だけ言っておくと、
子供をバイリンガルにしたいなら、
絶対に英語教育を学校任せにしないことです。
- バイリンガル教育のメリット
- バイリンガル教育は何歳から?
- 日本語が話せない日本人
- 日本で暮らしていれば自然と日本語は身に付く
- 日本語が身に付いてから英語を学ぶとどうなる?
- できる限り英語に触れる時間を長くする
- 英語で話しかけないようにする
- 英語を学ばせるのではなく、英語を好きにさせる
- まとめ
バイリンガル教育のメリット
子供にバイリンガル教育を施すことには様々なメリットがあります。
まず、子供のIQが高くなることです。
イギリスのレティング大学の調査によると、「バイリンガルの子供は単一言語を話す子供よりもIQが高い」という調査結果が出たという情報があります。
2つの言語を同時に処理する能力を
幼少期から身に付けておくと、
頭の回転が速くなりIQが上がります。
そしてその相乗効果で学力全体が底上げされます。
第2のメリットとしては、子供の可能性が広がるということです。
今の時代、日本で日本人相手にしかビジネスができないというのは、
大きなリスクです。
普通に日本で教育を受けていると、
特別な事情がない限り日本の大学に進学し、そのまま日本企業に就職します。
それがダメだというわけではありませんが、
選択肢が一つしかないというのは、リスクが高いです。
なぜなら、国や会社に依存することになるからです。
バイリンガルになり海外の大学に進学すれば、
革新的な人々と共に学ぶことができ、
世界観が大きく広がります。
海外の大学は日本の大学と違って遊びに行く場所ではないので、
真剣に学びたい人だけが集まってきます。
そういう環境で刺激を受けることは、
自分の人生にとって大きなメリットになります。
また、日本ともう1か国で働ける状況を作っておくことで、
どちらかの国が不安定になっても、もう一方の国で生きていくことができます。
バイリンガル教育のもたらすメリットについて、TEDのYoutube動画が詳しく解説してくれています。
日本語字幕で見ることもできるので、英語が苦手な方は日本語字幕をオンにしてご視聴ください。
この動画ではバイリンガルになるメリットについて語られています。
ただ、これは子供だけに限った話ではなく、大人の英語学習者にとっても同じように得られる恩恵です。
だから、子供に英語を学ばせるだけでなく、自分自身も英語を学ぶとさらに良いでしょう。
バイリンガル教育は何歳から?
僕は「バイリンガル教育をするのであれば、できる限り早い段階から始めたほうがよい」と思います。
こんな声があります。
「日本語もおぼつかないうちから英語を教えてどうする?まずは日本語をしっかり身に付けるべきだ」
こういう意見に惑わされて、バイリンガル教育を遅らせてしまう人がいます。
僕もこういうことを言っている人を見たことがありますが、彼らの特徴として共通しているのが、「英語が話せない」、「バイリンガル教育をやったことがない」ということです。
要するに、彼らの意見はまったく参考にならないということです。
日本語をしっかり身に付けた方が英語が上達するなら、日本人のほとんどの英語学習者は英語ペラペラなはずです。
僕の息子は、まだ日本語もおぼつかない3才の頃からカナダの保育所に通い始めました。
彼は現在6才ですが、日本語も英語も上手に話します。
自宅での家族の会話は100%日本語です。
だから、日本語教育をしなくても自然と正しい日本語は身に付くわけです(読み書き除く)。
東京大学の酒井教授も「英語は早い段階から学ばせたほうがいい」と言っています。
日本語が話せない日本人
海外には日本人なのに日本語が話せない人が結構います。
その理由は、家族の会話も英語を使っているからです。
学校に通っていれば教えなくても英語が話せるようになります。
年齢が上がるにつれ友達との会話も増えるので、英語でコミュニケーションを取る時間が長くなります。
そうすると、家族の会話が日本語だったとしても、英語で話すようになるのです。
海外で育った日本人の子供は、大きくなればなるほど英語で会話をするほうが楽になります。
したがって、家族の会話を強制的に日本語にしない限り、どんどん日本語が話せなくなってしまいます。
僕の知り合いのほとんどの家族は、家族内のコミュニケーションを日本語でするように子供に教育しています。
日本で暮らしていれば自然と日本語は身に付く
つまり何が言いたいかというと、日本の学校に通っているなら、日本語は自然と身に付くということです。
僕たちは子供に英語を一切教えていませんが、子供は勝手に英語を流暢に話すようになります。
それと同じことです。
つまり、「日本で生活していれば、日本語がおぼつかなくなることはない」ということです。
だから、まずは日本語をしっかり身に付けてから英語を学ばせる必要はないということです。
日本語が身に付いてから英語を学ぶとどうなる?
僕は「バイリンガル教育をするなら、日本語もまともに話せない時期から始めたほうがいい」と考えています。
なぜなら、日本語が身に付いてから英語に触れさせると、かなりの高確率で「勉強」になるからです。
勉強が好きだという子供は少ないです。
英語を学ぶことが義務になってしまうと、子供にとって英語学習は負担になります。
日本語もわからないうちから英語に触れさせていれば、英語に対するストレスは少なくなります。
「言葉がわからない」と感じることがないからです。
言葉がおぼつかない子供にとって、日本語も英語も同じ雑音です。
だから「英語がわからないから嫌だ」と感じることはまずありません。
うちの子供も、小さい頃中国語吹き替えのアニメを見てました(中国語吹き替えバージョンしかなかった)が、まったくストレスは感じてませんでした。
できる限り英語に触れる時間を長くする
前述した通り、日本語は放っておいても勝手に身に付きます。
だから、できる限り長い時間英語に触れさせることが必要です。
1日数時間とかでは短すぎます。
それこそ、家で過ごす時間は全て英語環境にするぐらいでないといけません。
うちの息子はフルタイムのデイケアに通っていたので、それなりに英語を話せるようになりましたが、プリスクールという週3日、4時間ずつの学校に通わせていた日本人家族の子供は、全く英語が話せるようになりませんでした。
プリスクール以外の時間は100%日本語環境で過ごしていたからです。
例えネイティブの英語環境の学校に通っていたとしても、
英語に触れている時間が短ければ、なかなか話せるようにはなりません。
英語で話しかけないようにする
「長い時間英語に触れたほうがいいなら、家庭での会話を英語にしよう」と思うかもしれませんが、子供との会話を英語でしてはいけません。
なぜなら、変な英語が身についてしまうからです。
知り合いの日本人家族は学校の先生から、
「家庭で子供に英語で話さないでください。へんな英語が身に付きますので」
と言われたそうです。
我が家でも子供には英語で話しかけないようにしています。
むしろ家庭での会話を日本語にしないと、子供はどんどん日本語を忘れてしまいますので。
日本には社内言語を英語にしている会社もありますが、
意志疎通がうまくいかず業務効率が落ちるのと、
変な英語が身についてしまうので、個人的にはどうなのかなと思っています。
英語を学ばせるのではなく、英語を好きにさせる
勉強のできる子供を育てたいのなら、たくさん勉強させることよりも勉強を好きにさせることのほうが重要です。
勉強が好きになったら、放っておいても勝手に勉強するようになります。
英語も同じで、「英語を勉強させよう」とすると子供は英語を嫌いになります。
そうではなくて、「英語を好きにさせよう」ということに力を注ぐべきです。
先ほど「日本語が身についてから英語を学ばせると、かなりの高確率で勉強になる」とお伝えしました。
なぜ「勉強」だとダメなのかというと、勉強は挫折するからです。
趣味に挫折する人はいませんよね。
好きなことをやっているのだから、挫折する理由がありません。
勉強というのは意志が必要です。
意志の力は弱いです。簡単に「サボりたい」という欲求に負けます。
だから、勉強は挫折しやすいのです。
一番いいのは子供の好きなものに英語を絡めることです。
一番わかりやすいのが「アニメ」です。
アニメというのは動きがあるので言葉がわからなくても楽しめます。
内容はまったく理解できなくても、リアルな英語をたくさん浴びることで英語のリズムが体に染みつくようになります。
うまくいけば、自分から英語のセリフを話し出すようになります。
もちろん、文字情報から学んだ音ではないので、多少間違いがあるかもしれません。
しかし、大人の話す言葉をコピーして言語を習得する方法というのは、
人間本来の言語習得プロセスに則っているので、文字情報から英語を学ぶよりも言語習得率が格段に上がります。
どのアニメを見せればいいかわからない人は、とりあえずディズニーを見せるのがいいと思います。
使われている英語も簡単な表現が多いので、英語に慣らすのには最適だと思います。
まとめ
子供のバイリンガル教育に失敗しないためには、以下のことが重要なポイントになります。
- 早い段階から英語に触れさせる
- 英語に触れる時間をできる限り長くする
- 英語を勉強させるのではなく、英語を好きにさせる
最後まで読んでいただきありがとうございます。