以前に海外移住のメリット・デメリットについて記事を書きましたので、
今日は海外就職のメリット・デメリットについて記事を書いていきたいと思います。
以前書いた記事はこちらです。
今回の記事を書くにあたり、ネットで「海外就職・メリット」で検索してみました。
人によって意見はさまざまですが、
それって海外就職というかアジア就職だろ
みたいな内容もありました。
僕はアジアと北米両方で働いた経験があるので、そのあたりの比較もしながら海外就職のメリットについて考えてみたいと思います。
注意:海外就職=英語環境ではない!
海外就職と聞くと、現地スタッフと英語でバリバリ仕事をしているイメージがあるかもしれません。
しかし、ほとんどの日本人は日系企業で日本人の同僚+日本人顧客を相手に仕事をしています。
アジアの場合は社内に多数のローカルスタッフがいますが、日本語を話せる現地スタッフが複数働いていて、英語が苦手な駐在員と現地スタッフやサプライヤー(業者)の仲介役をしています。
カナダの日系企業に関しては、ローカルスタッフ(非日本人)が働いていることはほぼありません。
オフィスも日本人オンリーの会社がほとんどです。
これはカナダ人にとって、日系企業で働くメリットがまったくないからです。
給料も安く、社内言語(日本語)もわからず、文化も違う会社であえて働こうというチャレンジ精神旺盛なカナダ人はいません。
もちろん、アジアの場合だと現地スタッフとは英語のコミュニケーションになるし、
カナダの会社でもサプライヤーは現地人なので、日本の職場に比べると圧倒的に英語を使う頻度は増えます。
しかし、海外で働いたからといって英語がペラペラになるということはまずないです。
日本に住む日本人が海外就職する場合、ほぼ100%日系企業に就職することになるでしょう。
外資系企業にいきなり就職する人は、そもそも英語がペラペラな人なので、
海外就職したから英語がペラペラになったというわけではないです。
海外就職のメリット
仕事のストレスが少ない
僕は日本でオフィスワークをしたことがありませんが、どれだけストレスフルかはわかります。
外資系企業で働く場合は、理不尽なお客さんを相手にする必要がないし、
社内の雰囲気もフレンドリーで非常に良好です(アジア人がボスの場合は除く)。
日系企業の場合も現地の文化にフォローしているためか、
日本の会社ほどストレスを感じることはありません。
残業はありますが、無駄な残業はする必要がありません。
用事が終われば上司がいようがさっさと帰ります(僕だけかも)。
これは会社よりも労働者を大切にする海外の文化が影響しているものと思われます。
給料が良い・良い暮らしができる(アジアの場合)
後述しますが、北米(カナダ)の場合は真逆になりますので、アジアの場合のみとお考え下さい。
最近でこそ発展途上国の給与水準が目覚ましいスピードで向上してきましたが、
まだまだ日本人の給料に比べると安いのが現状です。
僕もベトナムで働いていたときは、日本人の一般的な給料の半額ぐらいでしたが、
それなりに良い暮らしができていました。
シンガポールは家賃が高いので、会社の補助が出る駐在員でない限り高級コンド(マンション)に住むのはまず不可能ですが、それ以外の部分に関してはそれなりに良い暮らしをすることができます。
海外旅行に行きやすい
これは海外移住のメリットの時にも解説したので詳細は割愛します。
アジアは国が隣接しているので周辺諸国に旅行に行きやすいですが、
カナダは国内旅行もしくはアメリカ・メキシコぐらいしか行けるところがありません。
実力主義(非日系企業の場合)
これは日系企業に関しては当てはまりませんので注意が必要です。
外資系企業には年功序列といった概念がないので、年配だろうが社歴が長かろうがパフォーマンスの低い社員は出世できません。
逆に若い社員でも実力があればすぐに引き上げてもらうことができます。
実力で評価してもらえるほうが、働く側としてもやる気がでますよね。
転職経験がマイナスにならない
日本だと転職経験が多いとマイナス評価を受けることが多いですが、
海外の会社だと、むしろ転職経験が少ないほうが不自然な印象を与えます。
マネージャークラスの人であっても、別会社から条件のよいオファーをもらったらあっさり転職します。
ひとつの会社でずっと働いて、そこに骨を埋めようとする人は少ないです。
僕も海外に出てから10社以上の会社で働きました。
あまり褒められたものではありませんが、定期的に職場環境が変わるのでリフレッシュできました。
キャリアアップになる
「海外で働いていた」というだけで、日本に帰国した後の就職が有利になります。
僕も5年以上前に登録した転職サイトからいまだにスカウトメールが来ます。
海外就職経験を持っている人は少ないので、それだけでステータスになります。
ただ、実務的には日本で働いている人とさほど変わらないので、採用された後にがっかりされないようにしっかりと自分を磨いておきましょう。
「海外就職経験=英語が話せる」みたいなイメージを持っている人も多いので、
普段からしっかりと語学力を磨いておく必要もあります。
実はキャリアアップは日本に帰国する場合だけではありません。
海外就職経験があると、別の会社(海外の日系企業)に転職活動をするときに有利になります。
やはり、採用する側としては海外勤務経験がある人間を優遇したくなります。
ただ、外資系企業に転職する場合はなんのアドバンテージもありませんので、
あくまでも海外の日系企業に転職する場合のみの話です。
家族を優先させてもらえる
我が家は一時期妻が精神的に病んでしまったことがありました。
そのときは、子供の送り迎えや様々な家事を僕がやらなければなりませんでした。
突然調子が悪くなるため、仕事の当日の朝に急遽子供の送り迎えをしないといけないこともしょっちゅうありました。
そういう時は遅刻や早退をしなければならないのですが、
家族を大切にするカナダの文化が根付いているため、快く承諾してくれます。
日系企業であったとしても現地の文化に染まっているため、そのことをとがめられることはありません。
家族よりも仕事を重んじる日本で同じようなことをしたら、社内から白い目で見られるのは必須で、場合によってはクビにされていたかもしれません。
海外就職のデメリット
ビザのステータスに常に左右される
海外で働く場合はワークビザが必要になります。
ほとんどの人はクローズドビザで働くことになるので、会社が閉鎖したり政府がワークビザの取得条件を厳しくした場合などにそのあおりをうけることになります。
自分は永住するつもりで海外就職したのに、これらの事情で帰国を余儀なくされる可能性もあります。
また、クローズドビザの人はスポンサーになってくれた雇用主(=今働いている会社)でしか働くことができないのもデメリットと言えます。
その会社を辞める=滞在資格を失うということですから、
その国に住み続けたいのであれば、その会社で働き続ける必要があります。
ちなみに、僕はカナダの永住権を持っているので雇用主を限定されることはありませんし、働いていなくても滞在資格を失うことはありません。
これらの問題を回避するためには、永住権を取得するのが一番の得策ですが、
国によって永住権取得の条件が違うので、誰でも必ず取得できるというわけではありません。
年功序列がある(日系企業の場合)
日系企業で働く場合はいまだに年功序列の風潮が残っています。
実力云々よりも社歴の長さでポジションを決められることが多いので、
モチベーションがあがりません。
日本はこの文化を一刻も早く捨てないと、どんどん国際社会から遅れをとってしまうような気がします。
現地のトップになる可能性が低い(大手日系企業の場合)
これは主に大手日系企業で働く場合に言えることです。
大手日系企業の現地法人というのは、現地のトップが日本から派遣されてくる駐在員であることがほとんどです。
そのため、どんなに頑張っても現地のトップになることができません。
せいぜいナンバー2どまりです。
要するに就職した時点で先が見えるということです。
もちろん可能性はゼロではありませんが、
会社の方針しだいなので自分ではどうすることもできません。
駐在員として海外就職するのであれば、これはデメリットにはなりませんが、
現地採用として働くのであれば結構なマイナス要因になります。
給料が安い(カナダの場合)
カナダの会社(アジア系企業含む)で働く場合、給料は現地水準よりもかなり低めになります。
カナダ人の新卒でも日本円で年収500万円以上もらうのがザラですが、
日系企業の一般社員の給料は彼らよりも全然低いです。
マネージャークラスでも彼らよりも低い年収であることが多いです。
そのため、共働きをしない限り贅沢な生活はできません。
僕は自分の力で稼げるキャッシュポイントをいくつか構築しています。
簡単な仕事しかできない(カナダの場合)
失礼な話になってしまいますが、カナダの外資系企業で働こうと思ったら、
よほど語学力やスキルがない限り、肉体労働で働くことになります。
日系企業であれば、それなりによいポジションを獲得することができますが、
何の強みもない外国人がカナダの企業でそれを獲得するのは、相当ハードルが高いです。
実際、現場の仕事を担っているのは、インド人やフィリピン人ばかりで白人はほぼいません。
まとめ
海外就職と聞くと華やかなイメージがあるかもしれませんが、
実際はそこまででもありません。
ただ、自分を磨けばいくらでも上に行くことができる環境でもあるので、
向上心のある方には良いのではないかと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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