今日は海外移住についての記事になります。
海外移住に関心のある人は少なくないと思いますが、しっかりとリサーチをしてから決めないと後で後悔することになります。
僕自身日本以外に3つの国で暮らしてきました。その中で自分の経験を通して感じたことや気づいたことがあるので、ここではそれをシェアしていきたいと思います。
海外移住先を決める前に注意すること
「海外移住」で検索をすると、「海外移住・おすすめ」のようなキーワードが出てきます。
それだけ海外移住先のおすすめランキングを調べている人が多いということだと思います。
ただ、僕個人の意見としては「海外移住おすすめランキング」は宛てにしないほうがいいと思います。
その理由について説明します。
1.移住先の国との相性は人によって違うから
これはいろんな国に住んだ自分の経験則から言えることです。
僕自身の経験を通してみても、相性のいい国(地域)とそうでないところがありましたし、周囲の人間の話を聞いてもそうでした。
例えば僕は以前カナダの山岳部にある観光地に住んでいました。
しかし、その地域はまったく自分には合いませんでした。
コミュニティが小さい、移動できる範囲が狭い、やることがない(退屈)、大都市まで2時間など、様々な要因があります。
ですから晴れて永住権を獲得して自由の身になったらすぐに大都市に引っ越しました。
でもその地域が好きで何十年も住んでいる日本人もたくさんいます。
僕がたまたま都会志向の人間だったから合わなかっただけです。
暮らしやすい=あなたにとって相性のいい国ではありません。
カナダよりもアジアの発展途上国やアフリカのほうがいいという人も少なからずいます。そういう人にとっては、おすすめランキングは何の参考にもなりません。
日本の中で引っ越しをする場合、どこに住んだとしてもそれほど生活が変化するわけではありませんが、海外は住む国(地域)によって人生が大きく変わってしまいます。
英語を積極的に話したい人と日本語環境で暮らしたい人では、相性のよい国も当然変わります。
日本語環境がいいと思われていますが、海外志向の人にとってそれがストレスに感じることも少なくありません。
2.そもそもランキングの基準があいまい
ランキングを作るということは、それぞれの国を比較しているということが前提になっています。
しかし、さすがに世界190か国以上に住んだ人はいないと思います。
ちなみに旅行で行くのと住むのは全然違うので、旅行経験はランキング選定の基準にはなりません。
つまり、実際にそれぞれの国で暮らしたことのない誰かがランキングを作成しているということです。
ネット上に溢れている情報をかき集めて作成したランキングだと思いますが、先ほどもお伝えしたように「住む地域によって相性がある」のです。
ネット上で誰かがAという国にポジティブなコメントをしていても、別の誰かがネガティブなコメントをしている可能性もあるのです。
この場合、ランキング作成者がどちらの情報を見たかによって、おすすめランキングは変動します。
福祉が充実していて、治安が良くて生活費が安いことが必ずしも正解ではありません。
そういう国だったとしても、日本食の入手も困難だったり、やることがなくてつまらない可能性もあります。
3.移住先は自分の好みで選べない
海外移住にはビザの取得が必要になるので、おすすめランキングの国に住みたいと思っても住めない可能性があります。
つまりランキングを見たところで、その国に住めなければ意味がありません。
ちなみに僕もこのブログで「初めての海外移住はシンガポールがおすすめ」と書いていますが、人によってはシンガポールに移住が不可能な人もいます。
アジアの国では大卒でないと就労ビザが取れない国もあります。
そういう人にとって、僕の書いたその記事は何の役にも立たないことになります。
海外移住先を決める大前提として、住みたい国ではなく住める国の中から選択する必要るということを頭に入れておく必要があります。
僕もヨーロッパに住みたかったですが、ビザの条件が厳しく断念しました。
これからの海外移住で気を付けること
海外移住先を決める順序は、まず現地での雇用先を探すことが何よりも最優先されます。
現地に行ってから仕事を見つけるのは非常に大変です。
なぜなら、働ける資格のあるビザを持っていない人を雇ってくれる企業はまずないからです。
もしそういう会社があったとしたら、それは犯罪を容認している会社だということになります。
そこまでのリスクを冒してまで、人を雇いたい会社は極めて少ないです。
そして、もし不法労働が発覚すればあなたも犯罪者になります。
強制送還もしくは現地で拘留され前科者になってしまうので、以後他の国に入国するのが困難になったり、別の国でビザが取れなくなります。
永住権を取得するときは「無犯罪証明」という書類の提出が必要になるので、前科者になってしまったら、どんなに実績があっても永住権が取れなくなってしまう可能性
があります。
現地の日系企業に就職する場合、それが日本に本社のある企業の現地法人だった場合、日本の景気次第でオフィスがクローズしたり、その国から撤退する可能性もあります。
その場合、クローズドビザで雇われているあなたは、職を失うとともに現地の滞在許可および現地での就労資格を失います。
これから日本の景気がどうなるかわかりませんが、そういう可能性もあるということは念頭に入れておいた方がいいと思います。
また就労ビザの取得資格が変更になるということは頻繁にあります。
僕自身も経験しましたが、当時シンガポールの就労ビザ条件が改訂となり、配偶者がいる場合の就労ビザの最低賃金が引き上げになりました。
そのため僕のビザの延長ができなくなってしまいました。
もともと長く働くつもりもなかったので、それはそれで辞めるきっかけができてよかったのですが、このような事態が発生してしまった場合、長期で働くことができなくなってしまう可能性もあります。
カナダでは永住権を取得する人が大半ですが、シンガポールでは就労ビザの延長を繰り返している現地在住者が多かったです(カナダでは一時期、就労ビザの延長は最大4年までだったことがあります)。
つまり、もしあなたの住む国が後者のようなスタイルの国だった場合、ビザ条件の改定により長期在住ができなくなってしまう可能性もあるということです。
おすすめランキングよりも、これらのことをしっかりとリサーチをしておくことのほうがよほど重要だと僕自身は考えています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。