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この国のためにできること

先日とある若者のインタビュー動画を見ていました。

 

その若者は日本でサラリーマンを経験した後インドネシアに渡り、

ジャカルタでビジネスを立ち上げて成功しました。

 

資金が底をついてピンチに陥るなど、

様々な困難を乗り越えてビジネスオーナーになりました。

 

僕のように「海外に住みたい」という生ぬるい動機ではなく、

「ビジネスを立ち上げて絶対に成功する」という強い志をもって海外に渡ったそうです。

 

それがたまたまインドネシアだっただけです。

 

ビジネスチャンスがあれば、別に海外にこだわるつもりもなかったようです(推測ですが)。

 

まったく現地の言葉がわからず、日々の生活をするにも苦労していた状態から

インドネシア語を習得し、今や数多くの店舗を経営するビジネスオーナーにまで成長しました。

 

はっきりと年齢は言っていませんでしたが、

僕と同い年のインタビュワー(彼の師匠)よりも年下のようだったので、

おそらく僕よりも若いと思われます。

 

「どんなことがあっても、結果を出すまでは絶対に日本に帰らない」

 

そこまで強い信念があったからこそ、今の彼の成功があるのだと思います。

 

まだ若いのにすごいなと思います。

 

そんな彼が終始口にしていたあるフレーズがあります。

 

それは...

 

「おかげさま」

 

です。

 

彼の言動からはたくさんの人たちへの感謝の気持ちが溢れていました。

 

「自分がここまでこれたのは、多くの人の助けがあったから」

 

自分の成功に奢ることなく、感謝の気持ちを忘れない若者。

 

僕にもっとも欠けている資質です。

 

彼が若くして大成功する理由もわかる気がします。

 

 

 

日本人だから偉いということはない

彼はインドネシアでたくさんの困難を経験したにも関わらず、

決してインドネシアのことを悪く言うことはありませんでした。

 

「自分はこの国に住ませてもらっている立場だから...」

 

僕はその言葉を聞いてハッとしました。

 

今まで約10年に渡り3か国に住んできましたが、

一度としてそんな気持ちになったことはなかったからです。

 

むしろ、様々なフラストレーションに遭遇するたびに、

その国の文句ばかりを言っていました。

 

そして、彼はこのようにも言っていました。

 

「日本人が(現地の人より)偉いとは思わない」

 

その言葉を聞いて自分が情けなくなりました。

 

僕が初めて海外に渡ったのは約10年前、最初の国はベトナムでした。

 

当時まだ20代の未熟者だったとはいえ、

本当にレベルが低かったなと思います。

 

現地の人々との考え方の違いを受け入れられず、

たくさんの失敗をしてきました。

 

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僕の心のどこかには「この人たちはベトナム人だから」という、相手を見下す気持ちがあったように思います。

 

その後、経験を積むにつれ柔軟性がついてきたので、

考え方の違いによるもめごとはほとんどなくなりました。

 

でも、海外(特に発展途上国)の人々を見下す態度は完全に消えていませんでした。

 

シンガポールに渡った後も、

フラストレーションを感じる機会があったときに、

 

「これだからシンガポール人は...」

 

という気持ちが心のどこかにあったような気がします。

 

情けない話ですが、この感情は未だに消えていません。

 

現在僕が暮らす地域にはたくさんのインド人が住んでいます。

 

彼らのマナーの悪さや民度の低いふるまいに遭遇するたびに、

 

「これだからインド人は...」

 

と思ってしまいます。

 

そういう感情が出てくるのは、僕が彼らのことを下に見ているからに他なりません。

 

日本で暮らしていて身近に外国人がいない環境ならまだしも、

普段から多国籍な環境で暮らしている人間が、

こういう差別的感情を持ってしまっていることは「情けない」としか言えません。

 

日本代表としての意識

インドネシアの彼の発言を聞いて思ったことがあります。

 

「我々は日本人を代表して海外に住んでいる」

 

おこがましいかもしれませんが、海外在住者は日本代表だと思うようになりました。

 

僕たちの在り方によって、「日本人」に対する印象が決まってしまうということです。

 

日本に住んでいる外国人のマナーが悪かったり、

日本に対してネガティブな発言をしているのを聞いたら、

あなたはその人の出身国に対して悪い印象を持ちますよね?

 

それと同じではないかと思います。

 

一般的に日本人は世界の人々から信頼されています。

 

でも、彼らの身近にいる日本人が嫌な奴だったら、

やっぱり日本に対する印象も悪くなると思うのです。

 

海外在住の日本人が悪い印象を与えてしまえば、

これから海外で暮らす次の世代の人々へも悪い影響を与えます。

 

「日本人お断り」とまではいかなくても、

日本人に対する差別的感情を現地の人々に植え付けることになる可能性もあります。

 

僕が感じたのと同じように、

 

「これだから日本人は...」

 

と海外の人々から蔑まれてしまうかもしれません。

 

この国のためにできること

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「自分はこの国に住ませてもらっている立場だから...」

 

この言葉を聞いて自分の過去を振り返ってみた時、

不平不満を言うことはあっても、自分の住んでいる国に感謝をしたことはなかったように思います。

 

たくさん嫌な思いをしたこともあったけど、

ベトナムにしろシンガポールにしろカナダにしろ、

僕のことを受け入れてくれたことは紛れもない事実です。

 

カナダに至っては、僕が人生どん底の時にたくさんサポートをしてもらいました。

そして、今でもお世話になっています。

 

にもかかわらず、僕はこの国に何の恩返しもできていません。

 

「僕はこの国のために何ができるだろうか?」

 

今ではいつもそう考えています。

 

自分のことしか考えていなかった人間が、

より社会性の高い視野を持つことができるようになったのです。

 

この機会を与えてくれたインドネシアの彼に感謝です。

 

自分の生涯をかけて今までお世話になった国(日本も含む)に、

少しずつ恩返しをしていきたいと思っています。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

カナダにはいいところがいっぱいあります。

 

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