
カラッと晴れた気持ちのよい冬の午後。
車で走っていると、目の前に1台のサイバートラック。
次男が好きだった車。
いつもこの車を見かけるたび、
「サイバートラック!」と叫んでいた。
...でも、その声はもう聞こえない。
ぼくの斜め後ろの席には、
次男が座っていたCar Seatがあの頃のまま残っている。
ただひとつだけ
あの頃と違うことは、
もうそこに彼の姿がないということ。
「今度テスラのディーラーにサイバートラック見に行こうね」
その約束は果たされることがないまま
次男はカナダを去っていった。
目に映る景色は
いちいちぼくの心を締め付ける。
次男の好きだったサイバートラック。
...だけどぼくは好きじゃない。
気持ちのよい昼下がり。
だけど、ぼくの心は雨模様。
サイバートラックは駐車場のゲート前に止まり、
長男を乗せたぼくの車はゲートを開けて中へ入っていく。
サングラスを外したぼくは、長男の方を見ないように車を停めた。
隠していた涙を見られたくなかったから...。