英語にはWriting, Reading,Speaking, Listeningの4つのスキルがあります。
日本人はWritingとReadingは得意ですね。
中学・高校の英語学習はこの2つを中心に行われるためです。
Speakingは苦手な日本人が多いですが、これもある「型」を覚えて、アウトプットの機会を増やすだけで、劇的に上達します。
しかしリスニングというのは個人レベルのトレーニングだけでは、
ネイティブの会話を聞き取れるレベルになりません。
そのためこの4つのスキルの中でもっとも対策の難しいものであると言えます。
リスニングというのは自分の英語スキルだけではなく、
相手の話し方の癖やアクセントなどが影響するためです。
英語ネイティブ(=英語を完璧に理解できる)アメリカ人が、スコットランド人の話す英語をほとんど理解できないことからわかるように、聞き手の英語レベルが必ずしもリスニング力に直結するわけではありません。
今日はリスニング力が伸び悩んでいる人に向けた、
リスニング力向上のための3つの法則をシェアしたいと思います。
法則① リスニング力はデータベース力
さきほど述べたように自分の英語レベルが高いからといって、必ずしも完璧に英語が聞き取れるようになるわけではありません。
アメリカ人がスコットランド人の英語を聞き取れないのは、話している単語や表現を知らないからではなく、彼らの発する音が自分のデータベースにないからです。
日本人がネイティブの話す英語を聞き取れないのも同じ理由です。
ネイティブが話している内容がさっぱりわからなかったけど、文字におこしてみたらすごく簡単な単語しか使っていなかったという経験は誰しも1度はあると思います。
もしネイティブが僕たちと同じカタカナ英語の発音をしていたら、間違いなく聞き取れていたでしょう。しかしネイティブはリエゾン(Linking)したり、不明瞭な発音をしたりします。
自分が出すことのできない音は聞き取れません。だからリスニング力を強化するためには自分の発音を矯正することが必要不可欠です。
おすすめ発音教材はこちらです。
リスニング力を上げるためにはいかに自分のデータベースを増やすかがポイントです。
僕はアメリカ英語はほぼ完璧に聞き取れますが、
イギリス英語は聞き取れないことが多いです。
それはイギリス英語の発音が自分のデータベースにないからです。
このようにアメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語など様々なパターンの発音のデータベースを持っておく必要があります。
何度も言いますが英語レベルが足りてないから聞き取れないのではなく、その音を認識できないから聞き取れないだけです。
インド英語、シンガポール英語など非ネイティブの人たちの話す英語もかなりアクセントが独特で最初は戸惑います。
でも慣れれば簡単に聞き取れるようになります。
それは彼らの発音パターンがデータベースに記憶されたからです。
対策:様々なパターンの英語を聞く
例えばニュースの英語は聞き取れるのに、
Sitcomの英語が聞き取れないという人は良くいます
。
ニュースキャスターというのは、
非常に綺麗な発音で話すためとても聞き取りやすいのです。
一方Sitcomなどはネイティブが普段話しているそのままで会話をしていますので、綺麗な英語のデータベースしかない人は聞き取れません。
英語の教材に付属している音声教材ばかりでトレーニングしていても、
Sitcomの英語は聞き取れるようになりません。
よく「ネイティブの会話は早すぎて聞き取れない」という人がいますが、
彼らは決して早口で喋っているわけではありません。
言葉を省略したりリンキングしたりして、
通常の文章よりも短くしているだけです。
例えば、Where did you get it?はどのように発音しますか?
日本人の人は「ウェアーディッジューゲットイット」と発音する人が多いと思います。
ネイティブはこのフレーズを「ワジュゲディ」と1つの単語のように発音します。
早口で喋っているのではなく省略して短くしゃべってるだけです。
彼らの発音を聞き取るためには、
とにかくたくさん聞いていろんなパターンを覚えることです。
動画サイトなどを利用し様々なパターンの英語を聞いてみましょう。
アメリカ英語とイギリス英語も全然発音が違います。
イギリス英語を普段聞いている人はアメリカ英語を意図的に聞くようにする、
アメリカ英語を普段聞いている人は意識してイギリス英語を聞くようにすることが大切です。
代表的なものだとWaterがあります。
イギリス人は「ウォーター」と発音するのに対し、
アメリカ人は「ワラー」のように発音します。
そしてネイティブのリエゾン(Linking)のパターンを覚えることです。
Linkingには一定のパターンがあります。
そのパターンをデータベースに入れるだけで、
彼らの話す英語が聞き取れるようになります。
以下のYoutubeチャンネルはとても勉強になりますが、講師の先生たちのインドなまりがすごいです。インド人の発音に慣れたい人はぜひ試してみてください。(インドは地方によって訛りに差があります。)
法則② 英語は語順がすべての言語
日本語は単語の順番を入れ替えても通じる言語です。
ですが、英語は語順を入れ替えるとまったく通じなくなる言語です。
これは英語が語順によって主語、述語(動詞)、目的語などを判定しているからです。
「私は昨日トムに電話しました。」という文章があったとします。
これを英語と同じ語順に並べ替えてみます。
「私は電話しました。トムに、昨日。」
不自然な言い回しになりますが、通じないことはありません。
しかし英語というのは語順によって意味が変わってしまうため、こういった応用が利きません。
語順が入れ替わるだけで、意味が変わってしまうこともあります。
Tom called me yesterday.のように語順を入れ替えると意味も変わってしまいます。
そして日本語の語順のように入れ替えると、
I Tom yesterday called.となってしまい、
文章として成立しなくなります。
英語のような「配置式言語」はその理屈さえ理解すれば、
リスニングに応用することができるんです。
つまり最初の2~3語だけ集中して聞けば、
「行った」のか「買った」のか「見た」のか「聞いた」のかが判別できます。
その後に続く文章はそれに対する単なる補足情報です。
最悪最初の3語だけでも聞き取ることができれば、
何について話しているのかは最低限理解できます。
リスニングが苦手な方は最初の3語だけ聞き取るトレーニングをしてみてください。
法則③ Stress wordとUnstress wordを理解する
日本語はすべての単語をはっきりと発音します。それに対し、英語はリズム言語です。
はっきりと発音する言葉(Stress word)もあれば、不明瞭に発音する言葉(Unstress word)もあります。
この違いをはっきり理解しておくことが、リスニング力アップの大切なポイントです。
ネイティブスピーカーがすべての単語を聞き取っていると思いますか?
Unstress word(一般的には前置詞など)があるということは、それらの単語は大して重要でないということです。
Unstress wordがはっきりと聞き取れなくても、
Stress word(重要な情報)だけ聞き取れれば、言わんとしていることは伝わります。
これらすべてを聞き取ろうと全神経を集中するから、
1つでも聞き取れない単語があると急に話についていけなくなるのです。
英語はGuessする言語です。
先ほどの章で述べた最初の3語も同じです。
主語と動詞が聞き取れれば、
後はどんなことを話しているのかは、
話の流れで理解できることがあります。
同じようにUnstress wordが聞き取れなくても、
Stress wordだけ聞き取ってそれらの情報をつなげることで、
話の内容が連想できます。
全部の語句を聞き取ろうとしないこと。
英語の文章には大して重要でない語句も含まれているのです
まとめ
英語のリスニング力をアップさせるには以下の3つの法則を理解するだけです。
- リスニングのデータベースを増やす
- 英語は語順がすべて
- Stress wordとUnstress wordを理解する
今日は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。