海外就職編のその2です。
今日はレジュメについて書いてみたいと思います。
レジュメ(Resume)とは日本でいう履歴書のようなものです。
イギリスではC.V(Curriculum Vitae)と呼ぶのが一般的のようですね。
僕自身が就職活動をする上で学んだこと、経験したこと、感じたことをシェアします。
僕はたくさんのジョブフェアに参加したり、Job seekerのためのワークショップに数多く参加するなどして、これらの知識を得ました。
海外就職にあたり日系企業で働くか外資系企業で働くかによって、このレジュメの対策が変わってきます。
日系企業の場合は英語レジュメの提出を義務づけている企業がほとんどですが、会社によっては日本語の履歴書のみ提出で応募可能な企業があります。一部カバーレター(後述)の提出が必要な企業もあります。
海外就職についてはこちらの書籍で詳しくお話しています。
フォーマットについて
日本の履歴書はフォーマットが決まっておりますが、英語のレジュメはフォーマットが決まっていません。
どのようなレイアウトにするか、記載する項目を何にするかは自由に決めることができます。
例えば日本は職歴を時系列で記載しますが、英語レジュメの場合時系列で書くこともできるし、その職種に該当する経歴を遠い過去に持っているのなら、その職種を一番先に書くこともできます。
時系列で書く場合も日本と逆になります。日本は古い職歴から順番に書きますが、英語は新しい職歴から順番に書きます(すべて書く必要はない)。学歴も日本の履歴書は学歴を職歴よりも先に書きますが、英語のレジュメだと職歴を先に書きます。
大卒の場合、高校の学歴を書く必要はありません。
必須事項というか、これをかかないと内容不十分で落とされる項目に、自分のSummary of Qualifications(自分のスキル一覧)があります。
外面的なスキル・内面的なスキルなどを一覧にしてレジュメの項目に記載します。
Summary of Qualificationsという表記はあくまで一例で、別の表現で記載しても大丈夫です。
写真を添付するかしないかについても個人の自由です(一般的に貼らないことが多い)。
あとはボランティアの経歴だったり、資格だったり、趣味だったりを記載する人もいます。ポイントは表裏1枚まででレジュメを仕上げること。それ以上になる場合は印象はよくないみたいです。
ここから先の見解はあくまでも私個人が感じたことになりますので、
必ずしもすべての企業がこれらの傾向に当てはまるわけではありません。僕はカナダで就職活動をしましたので、国により状況は異なります。
レジュメに記載すべき項目
レジュメに記載すべき項目を一覧にしてみます。
英語のレジュメというのは自由度が高いので、必ずしも表記はこれでないといけないというわけではありません。
より洗練されたレジュメに見えるように工夫してみてください。
- Summary (Professional Summary)
- Skills(Summary of Qualifications) もしくはHighlights of Expertise
- Career Experience(Employment History)
- Education&Certifications(別々に項目をわけてもいい)
レジュメのフォーマットは自作するべきでない
英語レジュメはフリーフォーマットであるだけに、どのように作成すればいいかわからない人も多いと思います。インターネットで検索すれば、サンプルの英語レジュメを見つけることができ、それを参考にして作成するのが一般的だと思いますが、このやり方は途方もなく時間がかかります。
Wordでレジュメを作成すると、レイアウトを整えるところにも神経を割かないといけないので、無駄な労力が必要となり質の高いレジュメを作るにはハードルが高すぎます。
おすすめはフリーのResume Builderを使うことです。
インターネットでResume Builderで検索すると、Resume builderというものが見つかります。
Resume Builderにはサンプルのフォーマットがいくつも収録されており、その中から自分の好みのものを選択するだけです。
ちなみに僕が実際使っていたResume buiderはこちらです。
Resume Builder : Free Resume Builder : MyPerfectResume.com
このResume Builderはレジュメだけでなく、カバーレターも作成できます。
必要な情報を順番に入力していくだけなので、すぐにレジュメを作ることができます。
一番肝心な「書く内容」についても、サンプルの文面がポジションに応じて表示されるので、それを選択し必要な部分を書き換えるだけで立派なレジュメができるすぐれものです。
ちなみに以下の画像がこのResume Builderで作成したものです。これを作るのに5分もかかっていません。
書き方のポイント解説
職務内容について気を付けるポイントが2つあります。
- 過去形を使うこと
- 具体的な数字を入れること
自分が過去のキャリアでどんなことをしたのかアピールする重要なパートになります。
自分が応募する職種とできるだけ関連があるように、自分の職務内容をカスタマイズすると書類が通りやすくなります。
そして必ず過去形を使うこと(上記参照)。このあたりの最低限のルールが守れていないとどんなに輝かしい経験があったとしても、書類の質で落とされてしまいます。
上のサンプルにあるように(青字)、レジュメには具体的な数字を入れるのが良いと言われています。
「新規ビジネスを開拓した」と書くよりは「新規ビジネスを開拓して顧客を10社増やし、売り上げを1億円上げた」のように書くのがより具体的に自分の実績がアピールできます。
現地日系企業に応募する場合は、上記のようにレジュメビルダーで自動作成したものをこのまま使っても書類選考に通ることもできるかもしれませんが、基本的にそのまま使うのはやめましょう。
外資系企業の場合は自動作成のレジュメをそのまま使っても、書類に通ることはまずないと思います。
いずれの場合も自動で作成したサンプルを参考に自分用のレジュメにカスタマイズすることが必要です。
レジュメの具体的な書き方についてはこちらの記事で解説しております。
日系企業の場合
まず日系企業(現地法人・ローカル共通)ですが僕自身の感想としては「英語のレジュメは形式上のもので、内容はそれほど重視されていない」ように見受けます。
例えばスペルミスがあったり、ネイティブからすると不自然な言い回しがあったとしても、それが書類選考の合否に直接影響することはないように思います。
日本の会社と同じく職歴だけを見ているような印象を受けますので、職務内容についてはそれほどアピールすることがなくても問題はありません。
英語レベルがそれなりでも自作のレジュメを提出しても書類は通ります。
僕自身も採用を担当していましたが、スペルミスや文法などはまったく気にしていませんでした。
ですからインターネットなどでサンプルのレジュメを参考にしてレジュメを作成する応募者が多いです。
ですがあまりにも質の低いレジュメは「やる気がない」印象を受けるので書類ではじかれる場合もあります。
最低限のレベルはキープするようにしましょう。
日本の履歴書との違い
英語のレジュメと日本の履歴書の違いについて簡単に解説します。
日本の履歴書は学歴と職歴(就労期間)と簡単な自己PRを書くのみですが、
英語のレジュメは職歴に加え、その時の業務内容や業績を書く必要があります。
自分の過去の業務内容を書くときは過去形を使うこと。
企業名と就労期間だけを羅列しただけではまず書類は通らないでしょう。
日本の履歴書と違う点は、レジュメやカバーレターは応募する企業ごとにカスタマイズが必要であるということです。要するに使いまわしができないということです。
物理的に使いまわすことはもちろん可能ですが、どこの企業にも送るようなレジュメでは書類選考は通りません。
募集要項をしっかり読み込んで、その企業がどんな人材を求めているのか読み解いたうえで、それに合わせてレジュメやカバーレターをカスタマイズします。
後述するプロの代行業者も、応募企業ごとにレジュメをカスタマイズする場合は、その都度料金が発生します。
私は中国系企業で働いていたことが少しだけありますが、中国系企業に関しても英語レジュメそのものの質はそれほど重視されていないような印象があります。
外資系企業の場合
外資系企業に応募する場合はレジュメの取り扱い方法が大きく異なります
よほど日本人を必要としている企業でない限りは、レジュメそのものの質が原因で書類選考が通過できない場合が非常に多いです。
例えばあなたがその業界で魅力的な職務経歴をもっていたとしても、スペルミスや文法ミス、もしくは明らかに英語レベルが低かった場合は書類で落とされます。
英語レジュメでもある程度最低限のマナーやルールがあります。
例えばレジュメに記載するEメールアドレスがビジネスに適したものであるか?などは選考に影響します。
happy_go_lucky@yahoo.co.jpのような幼稚な(?)アドレスはレジュメにふさわしくありません。
ビジネス用途で使うのであればGmailが好ましいですし、アドレスも自分のフルネームを利用したもの(そのアドレスがすでに利用済みなら番号をプラスしてアドレスを取得する)で、あらたにGmailアカウントを作成したほうがよいです。
そしてレジュメ自体の質ですが、自作のレジュメで応募するとかなり不利です。
なぜならば競争相手になる他の応募者たちはネイティブスピーカーですから、英語レベルで圧倒的に差があります。
英会話のレベルはレジュメの質に直結しません。なぜなら使う表現も全然違うし、会話と違って正しい英語を使う必要があるためです。
ではネイティブスピーカーにまったく太刀打ちできないかと言われればそういうわけではありません。
レジュメ作成代行業者を使う
僕が実際に使った英語履歴書(レジュメ)作成代行業者
日本ではあまりメジャーではありませんが、海外ではレジュメを代行作成してくれる会社を使うことが比較的あります。
ちなみに僕が使っていたのはこの会社です。世界でもっとも規模の大きいレジュメ作成代行業者です。レジュメ・カバーレターの他、LinkedInも作成代行(追加料金なし)してくれます。
彼らはレジュメを書くプロですから、どのように書けばより採用担当者の目に留まるか、ということを熟知しています。
大企業になると応募の数も莫大な数になります。そのためコンピューターを使ってレジュメをスクリーニングしている企業もあります。
特定のキーワードがレジュメに含まれているか否かで、コンピューターによる選別にはじかれてしまい、採用担当者の目にすら届かないこともあります。
レジュメ代行の会社はそのキーワードについても知っていますので、応募職種や企業などに応じて一番ベストなレジュメを作成してくれます。
覚えておいていただきたいのが、「専門の業者にレジュメ作成を依頼しても、あくまで他の候補者と同じスタートラインに立つことができる」だけです。
お金を払ってプロに依頼したからといって、書類選考がバンバン通るわけではありません。
僕も書類を送った企業は100社以上ありますが、次のステップに進めたのは10社以下でした。詳細は明日のブログで解説します。
日本の英語履歴書(レジュメ)作成代行業者
日本にもレジュメ作成をしてくれる業者がいくつかありますので、気になる方はインターネットで検索してみてください。
「業者にお願いすると料金が高いので気になる」という人はココナラを利用することもできます。
ココナラは個人の人が自分たちのスキルを販売しているサイトです。ここで英語履歴書の作成代行サービスを提供している人もいますので、その人に依頼するのもよいかと思います。
英語履歴書は自作しないとダメな気がするという人へ
日本社会では履歴書を業者が作成するという文化が浸透していませんが、海外では業者が英語レジュメを作るというのは、一般的に行われていることです。
自分の英語レベルと釣り合わない質の高い英語レジュメを業者が作成してくれて、面接の際にあなたの英語力を問われたとしても、「お金をかけて(業者を使って)でも、御社に入社したいという気持ちがあった」と伝えれば、業者を使った大義名分ができます。
それをどうとらえるかは担当者次第ですのでこう伝えても不採用になるかもしれません。
しかし業者を使わず英語履歴書を自作して書類選考で落とされるか、業者を使って面接で落とされるか、あなたがどちらを選びたいのかで決めればいいと思います。
自作のレジュメを作成する場合はこちらの添削ツールがおすすめです。
世界中の50万人以上の英語学習者が利用しているGrammarlyが、
無料のレジュメ添削ツールを提供しています。
カバーレターの書き方
カバーレターの提出は任意ですが、カバーレターを出さないと相当不利です。
なぜならみんな提出しているから。最低限のマナーでもあります。
下の画像は先ほど紹介したレジュメビルダーで作成したカバーレターです。
希望職種を入力すれば自動で文章が出力されます。
どのようにカバーレターを書けばいいかわからない人は、自動出力された文章を参考に必要な部分だけを書き換えましょう。
気を付けることは宛名を必ずDearで書くこと。担当者の名前がわからないのであれば、Dear Hiring Managerと書けばよいです。
日付、会社の住所も忘れずに。文末は必ずSincerely(yours)を使うこと。Best regardsのような表現はダメです。
カバーレターには志望動機や、自分がどのようにその企業に貢献できるか、その企業でどのように将来的になっていきたいのか、などを書きます。
基本的には何を書いても自由なのでアピールできるようなものがあれば積極的にアピールしたほうがいいでしょう。
最低限の書き方のマナーがありますので、しっかり勉強しておいたほうがいいです。
レジュメ作成代行業者はカバーレターの作成もしてくれます。
カバーレターはレジュメと違い文章を書くことになりますので、
英語レベルが伴っていないと、自作は厳しいでしょう。
今日は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。