※今日の導入はビジネスの話から入ります。
退屈かもしれませんがお付き合いください。
僕たちが商品やサービスを購入するとき、実はその商品やサービス自体がほしいわけではありません。
それらを手に入れることよって「得られる結果」が欲しいのです。
さらに言うなら、その「得られる結果」によってもたらされる「感情」が欲しいのです。
ダイエットサプリを買う人は、サプリが欲しいわけではありません。
「痩せる」という結果が欲しいのです。
そして、痩せたことによって感じる満足感や充実感が本当に欲しいと思っている価値です。
青汁を買う人も青汁自体が欲しいわけではありません。
健康な体という結果、そしてその結果から得られる「安心感」や「爽快感」を本当は欲しているのです。
留学するのも英語を学ぶのも同じです。
英語が話せるようになるという結果が欲しいのではなく、その先にある結果と感情こそが本当に消費者が求めている価値です。
例えば英語が話せることによって自分に自信が持てるようになります。
そうすると人生に可能性が広がり、ワクワクした感情を得ることができます。
人によってはそのワクワクの感情こそが、英語を学ぶ本当の目的だったりします。
では消費者が留学に求める本当の価値とは一体何でしょうか?
今日は留学によって得られる本当の価値について考えてみたいと思います。
僕の留学経験
僕は18歳のときに生涯1度だけ留学経験があります。
ただ、英語圏への留学ではなくフランスへの2か月の短期留学でした。
ここでは詳しい説明は省きますが、いろいろあってフランス語を大学で専攻することになり、大学1回生の夏休みにフランスに留学しました。
この2か月で確かにフランス語は向上しましたが、しょせん短期留学なので語学レベルが劇的に向上したわけではありません。
しかし、この留学経験は僕の人生の方向性を決定づけるとても価値のある体験になりました。
この留学体験をきっかけに海外に興味を持つようになり、まったく就職活動をせず大学在学中から添乗員(ツアーコンダクター)として働くようになりました。
その後、ベトナム、シンガポール、カナダと海外移住を繰り返すことになったのですが、これもすべて「たった2か月」のフランス留学体験があったからです。
留学経験で起こるパラダイムシフト
僕のようなケースはまれかもしれませんが、たった1度の留学経験が人生を大きく変えることもあります。
海外留学をする人のほとんどは、語学を学ぶというのが表向きの目的です。
しかし、語学を学ぶだけなら日本にいてもできます。
それをわざわざ海外に出てまでやるというのは、そこに語学上達以外の価値があるからではないかと思います。
海外で暮らし、外国の人と交流する体験は自分の世界観を大きく広げてくれます。
日本というのは島国で単一民族なので、どうしても特定の価値観に縛られてしまいます。
でも、日本では当たり前になっていることが、世界で非常識であることも多いのです。
そういう新しい価値観に触れることで、パラダイムシフトが起こります。
アメリカ留学帰りの人が日本で起業して成功しているのをよく見かけるのは、
「当たり前」の基準が日本とアメリカで違うからです。
日本はサラリーマンになることが暗黙の常識となっています。
でも、アメリカの大学で優秀な人たちに囲まれると、「起業してビジネスをする」という価値観が当たり前になります。
そういう環境に身を置くことでパラダイムシフトが起こるから、帰国後に自分でビジネスを興す人が多いのです。
優秀な人なら日本の東大にもたくさんいるはずです。
しかし、彼らの多くは「官僚や外交官になる」というパラダイムで生きています。
だから、起業をするという選択肢を選ぶ人はごく少数に限られるのです。
価値観が広がると寛容性が高まる
日本人は非常に寛容性が低いという国民性を持っています。
それは数々のルールに縛られていることと、島国で長い間鎖国をしていたという歴史的背景が関係しています。
要するに新しい物や価値観に対する免疫や柔軟性が低いということです。
日本だけで暮らしているとそのことに気づくことは難しいです。
エッフェル塔を見たいのであればエッフェル塔の中にいたら見えないのと同じように、日本の本当の姿を見たいのならば日本の外に出なければなりません。
価値観というのは「正義」という言葉に置き換えることができます。
つまり狭い価値観で生きるということは、限られた正義の中で生きるということです。
限られた正義とは「許せるものの数が少ない」ということです。
電車の中でスマホで話している人にイライラするのは、その人が原因なのではなく、「電車でスマホを使うことは悪である」という価値観を持っている自分自身に原因があります。
海外では電車でスマホを使うことは当たり前の光景になっています。
だからといってあなたに「日本の電車でもスマホで会話していいです」ということが言いたいのではありません。
そんなつまらないことにイライラするのはもったいないと言いたいのです。
イライラして損をするのは、電車でスマホを使っている人ではなく自分自身です。
人生の貴重な時間をそんなつまらないことのためにネガティブ感情で過ごすのは、非常にもったいないです。
我々が電車でスマホを使っている人にイライラするのは、「電車でスマホを使ってはいけない」という日本特有の価値観に支配されているからです。
でも、海外のほぼすべての国が電車でスマホを使うことが当たり前になっているということは、その(日本の)価値観自体が正しくない可能性だってあるわけです。
そのことに気づけば、電車でスマホを使っている人を見てもイライラしなくなるはずです。
日本人の心が荒み社会が殺伐としているのは、こういうルールや価値観が多々存在しているために許せるものの数が少なく、人々の心に余裕がないからです。
たった一度きりの人生だから
もしあなたが海外留学に興味があるのなら、絶対に挑戦したほうがいいと思います。
もしうまくいかなくても、いつでも帰る場所があるのだからそこまで心配する必要はないです。
長い人生の1年や2年ぐらい、本当にやりたいことに投資しても損はありません。
昨日僕のメインブログで「スコトーマ」について記事を書きました。
特定の世界観の中だけで生きていると、それ以外の世界がスコトーマ(盲点)となり(存在しているのに)見えなくなってしまいます。
実際に海外にでて「こういう世界もあるんだ」という実体験をすることで、
そのスコトーマは外れ見える世界が広がります。
海外留学はただ語学を上達させるだけでなく、自分の人生を大きく変えるだけの価値があります。
それが海外留学の持つ本当の価値なのではないかと考えています。
たった一度きりの人生だから、自分の可能性を最大限広げたほうが絶対に楽しいですよね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。