カナダで2人、僕と息子が歩く道

離婚してシングルファザーになった著者がカナダで息子を育てる生活日記

言えなかった「さよなら」

カナダに向けて出発する朝、ぼくはこのブログをホテルで書いている。

 

家族最後の夜は、思い出を振り返ってしんみりという生易しいものではなく、離婚後の話で口論になった。

 

ぼくは妻の実家を追い出され、長男とともにホテルに泊まることにしたのだ。

 

長男はまだ眠っている。

ホテルはダブルベッドだったので隣り合わせで眠りについた。

 

彼はもう12歳になるのだが、ぬいぐるみを抱きしめて寝ていた。

 

口には出さないけど、きっとさみしい思いをさせたに違いない。

両親がこんなことになって子供たちには本当に申し訳ないと思っている。

 

本来であれば、今日は4人で空港まで行く予定だった。

 

そこで妻と次男に改めて「さよなら」を伝える予定だったが、それもどうやら叶いそうにない。

 

次男に面と向かってバイバイが言えなかったのが何よりの心残りだ。

 

今後はお互いよきパートナーとして協力し合っていくつもりだったが、あんな険悪な関係になってしまったら、それもできるかどうかわからない。

 

次男とともにカナダで暮らす夢も難しいかもしれない。

 

妻とはまともに議論できる状況ではなかった。

そんな状態になるまで彼女を追いこんでしまったのはぼくにも責任があるわけだが。

 

日本に帰ってきた当初は、「なんとか妻に戻ってきてほしい」という思いがあったが、今は全くその気持ちはなくなった。

 

そういう意味ではケンカ別れになってよかったのかもしれない。

 

でもぼくは決してケンカ別れをしたかったわけではなく、妻とは友達のような関係で今後も関わっていきたいと思っていたのだが。