ぼくのスマホはおせっかい。
頼んでもいないのに「〇〇の思い出(〇年前)」みたいな写真を表示する。
その写真がぼくの心をえぐる。
まだ家族だったときの4人の姿がそこにあるから。

これは長男が5歳になったとき近くのお寺で撮った七五三の写真。
(バンクーバー郊外のお寺)
この頃の長男は素直で純粋でかわいかった。
そんな彼の幼かった頃の写真を見るたびに、
「もっと愛してあげればよかった」といつも思う。
ぼくの大きな後悔のひとつ。
当時のぼくは心に余裕がなく、
わんぱくだった長男にしょっちゅう大声をあげていた。
そんな状態が続いているうちに、
長男の心はぼくから離れていき、
ほとんど会話もしなくなってしまった。
家庭環境が荒れていたのもあるが、
学校で問題行動を起こすことも多くなった。
子供にとって大事な時期に、
彼の心に深い傷を与えてしまったことは、
本当に申し訳ないと思っている。
学校に呼び出しをくらい先生と話しているとき、
この写真の光景が頭に浮かんだ。
その瞬間涙が頬を伝う。
「Ryoは本当はいい子なんです...」
それを言うのが精いっぱいだった。
今ぼくは彼と二人で暮らしている。
少しずつ会話の数も増えて、
父子の関係もよくなってきている。
今まで愛してあげることができなかったから
これからは全力で愛してあげよう。
そして幸せな人生を過ごしてほしい。
それがぼくができる罪滅ぼしだと思う。