海外で日本人夫婦が子供を出産した場合、子供の国籍はどうなるのでしょうか?
長期的に海外移住を考える場合、海外で出産することになるのは十分に考えられます。
実はどの国で出産するかによって、子供の国籍の取り扱いが違います。
今日は「海外出産した際の子供の国籍」と「出生地主義」についてお話していていきたいと思います。
日本と違う海外の出産事情
日本では女性が出産した後、数日~約1週間程度病院に入院するのが一般的となっています。
しかし、海外では出産後早ければ同日中に退院というのが当たり前となっています。
また、シンガポールには日本人クリニックの中に産婦人科がありますが、医師免許等の関係で出産の際に立ち会うのは日本人医師ではありません。
僕たち夫婦も子供ができたのはシンガポール在住時でしたが、何回か日本人クリニックの産婦人科に通った後、最終的に日本で出産となりました。
海外で出産した子供の国籍は?出生地主義とは?
ここで解説する内容は日本人夫婦が海外で出産した場合の話となりますので、国際結婚などの場合は当てはまりません。その点よろしくお願いいたします。
海外で日本人夫婦の子供が生まれた場合、出生地主義を採用している国でなければ、子供の国籍は日本になります。
出生地主義とは簡単に言うと、「生まれた場所(国)によって子供の国籍が決まる」という制度のことです。対立する概念のことを血統主義と呼びます。
詳しくはWikipediaにて解説があります。
現在出生地主義を採用しているのは以下の国です。
ヨーロッパの国では徐々に出生地主義を採用する国が増える動きがあるようです。
Wikipediaにも記載がありますが、アメリカはトランプ大統領が出生地主義の廃止に向けた動きを取っている模様です。
これらの国で日本人夫婦の子供が生まれた場合、22歳までその子供は二重国籍になります。
22歳になった段階で、親の国籍か生まれた国の国籍かを選択します。
うちの家族の場合、2人目の子供が生まれたら、息子(長男)は日本国籍で2人目はカナダと日本の二重国籍といういびつな兄弟構成になります。
そして二重国籍の子供は国籍を選択するまでパスポートを2種類持つことになります。
二重国籍のメリットはどちらの国も社会保障を受けられる権利が得られることです。
最終的にはどちらかを選択することになるので、もう1方の国籍については放棄することとなりますが、将来どちらの国がどうなっているかわからないので、自分の意志で国籍を選べるというのは大きなメリットだと思います。
ただ今後出所地主義の国が増えてきた場合、気を付けないといけないことがあります。
例えばうちの夫婦が仮にシンガポールで出産していたとしても、子供の国籍は日本のままです。
しかし、仮にシンガポールが出生地主義を採用した場合、シンガポール国籍を得られるチャンスが与えられます。
ただ、シンガポールは徴兵制があるんです。
シンガポール人の男性は徴兵に赴くという義務があるため、シンガポール国籍を取得した場合、自分の息子は徴兵制が義務になってしまいます。
シンガポール時代の同僚も会社を休んで兵役に参加していました(彼らは兵役を英語でNational serviceと呼びます)。
聞くところによると国外に住んでいたとしても、兵役に参加するため一時的に帰国を強制されることがあるようです。
つまり、あなたの子供がシンガポール国籍になって、大人になった段階で日本に在住していたとしても、兵役に参加するため一時的にシンガポールに呼び戻されるということになります。
このように徴兵制を採用している国というのは数多くあると思うので、今後出生地主義を採用する国が増えてきたとしても、その点は頭に入れておく必要があります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。