インターネットで「海外移住」という検索ワードを入力すると、
「海外移住 失敗」とか「海外移住 向いている人」というサジェストが出てきます。
念願の海外移住を果たしたのに現地での生活になじめず、
結局日本に帰国することになったという人は少なからずいます。
その経験は決して無駄ではないので失敗だとは思いませんが、
それを失敗と呼ぶのであれば、それは「海外に向いていなかった」ということが原因であるということもできます。
つまり、この2つの検索ワードはお互いに関連しているということです。
海外移住に興味のある方はこちらの記事もご覧ください。
向き・不向きよりも相性のほうが重要
僕自身3つの国に約10年在住してきましたが、そこで感じたことは「向き・不向きよりも相性のほうが重要である」ということです。
僕は完全に海外向きの性格です。
こんな僕でも、住む場所によって「この地域にずっと住むのは嫌だ」と思ったことがあります。
僕は現在バンクーバー郊外に住んでいますが、その前はカナディアンロッキーのふもとの街に約3年住んでいました。
僕たち夫婦はそこでの生活がとにかく苦痛でした。
いっこくも早く別の都市へ引っ越ししたかったのですが、
ビザの関係で、永住権を取得するまではそこに住み続けなければなりませんでした。
僕たち夫婦と同じようにその街での生活があわず、1年で去って行った夫婦も僕が知る限り2組います(1組はカナダ在住10年以上)。
一方で、その街が大好きで20年以上暮らしている日本人もたくさんいます。
したがって、「海外に向いているかどうか」ということよりも、
「その国(地域)が自分と相性が良いか」ということを考慮しないと海外移住は失敗に終わってしまう可能性があるということです。
海外移住に失敗して日本に帰国していった人たちは、
必ずしも「海外移住に向いていなかった」というわけではありません。
単純に、自分と相性の良くない国(地域)に移住してしまっただけということも考えられるということです。
夫婦で海外移住をする人はこちらの記事も読んでみてください。
海外移住に向いている人の特徴
海外移住に向いている人の特徴には、ネット上に様々な情報が公開されています。
興味のある人は覗いてみてください。
それぞれ独自の目線があって興味深いですよ。
ちなみに今回ご紹介する内容は僕個人の見解ですのであしからず。
①日本の生活になじめない人
こんなことを言うと反感を買うかもしれませんが、僕自身はこれに該当します。
昔からとにかく日本での暮らしになじめず、窮屈な思いをずっとしていました。
日本人的思考に違和感を覚えることが多々あり、
しょっちゅうストレスを感じていました。
- 年功序列
- お客様は神様
- 新しいものへの寛容性の低さ
- 木を見て森を見ない
- 周囲と足並みを揃えないと叩かれる
とりあえず思いつく限りでもこれだけあります。
もしあなたがこれらのことにストレスを感じているのなら、
あなたは日本よりも海外生活のほうが合っていると思います。
逆にこれらの事項に違和感がない人は日本向きだと思います。
どちらが良くてどちらが悪いというものではありません。
ただの性格の問題です。
②外国人と積極的に交流できる人
自分は社交的な性格ではないので、積極的に外国人と交流するタイプではありません。
周囲の人間を見ていて「この人、海外向きだな」と思ったのは、
外国人と積極的に交流している人でした。
「英語を話すのが好き」とか「外国人の友達と話すのが好き」という人は、間違いなく海外向きだと思います。
僕もビジネスシーンであれば、日本人よりも外国人と話すほうが好きです。
日本人と話すのはめちゃくちゃ気を使いますが、
外国人と話すときは全然気を使わないので楽だからです。
③柔軟性のある人
柔軟性というのは環境適応能力と言い換えることもできます。
海外での生活は日本とは全然違います。
住んでいる国や地域によって文化も異なるので、
その環境にどれだけ適応できるかということが非常に重要になってきます。
僕も海外移住初期のころはよく失敗しましたが、
日本の価値観のフィルターを付けたままだと、非常にストレスを感じることになります。
「日本だったらありえない」
「日本なら○○して当たり前なのに」
といったような日本の価値観を現地人に押し付けると、
自分も相手も苦しくなってしまいます。
柔軟性があるというのは、他人への寛容性が高いということでもあります。
海外では個人主義の考えで行動している人も多いので、
日本の価値観フィルターで相手を見ると怒りを覚えたり、
許せなくなることがあります。
でも、「自分こそ正しい」というその考え自体がそもそも間違いで、
「相手を許すと自分も楽になる」ということが理解できるようになると、
自分と違う価値観の人にストレスを感じることがなくなります。
便利さで考えると日本よりも暮らしやすい国はないと思います。
つまり、海外で暮らすということは不便な生活をしなければならないということでもあります。
その不便さにどれだけ適応できるかという柔軟性が、
海外生活にはとても重要な要素になります。
④行動力がある
このブログの一番最初の記事でシェアしましたが、
海外移住に一番必要なのは語学力よりも行動力です。
海外移住だけに限らず、どんなことにも必ずリスクは存在します。
でもリスクのことばかり考えていたら、
何も行動できないまま終わってしまいます。
日本で暮らしていて海外移住のリスクばかり考えていたら、
「やっぱり海外移住は止めておこう」となるのは当たり前です。
⑤憧れが強すぎない
海外旅行好きに多いのですが、海外生活の憧れが強い人は海外移住に失敗する傾向があるように思います。
旅行にいくのと実際に暮らすのでは全然違います。
憧れが大きければ大きいほど、そのギャップに苦しむことになります。
海外移住と聞いて夢を見すぎないことです。
この記事にあるように、特に「駐妻」の書いているブログばかり読んでいると、
夢見がちになってしまいます。
あなた自身が駐妻なら、夢のようなゴージャスな生活ができるかもしれませんが、
そうでない場合はあまり参考にしないほうがいいと思います。
⑥趣味がある人
住む国や地域によっては娯楽がほとんどなく、ひたすら退屈な日々を過ごすことになることがあります。
特に行くところもなく友人もいないのであれば、休みの日も引きこもって過ごしがちになるかもしれません。
そんな生活でも趣味があれば楽しみながら過ごすことができるはず。
趣味も交友関係もない状態で海外で暮らすと、つらい思いをすることになるかもしれません。
まとめ
本質的な話をするのであれば「海外移住をしたい」と思った時点で、
あなたは海外移住に向いている人です。
失敗するのは「自分に合った国に住んでいないだけ」だと個人的には思います。
日本語も通じてそれなりの生活レベルを維持できる便利な国を出るには、
明確な理由が必要です。
特に大した理由もないのであれば、海外で暮らす意味を見出すことができません。
そういう人は遅かれ早かれ日本に帰りたくなります。
もし海外移住に迷いを感じているのであれば、
とりあえず試してみることをおすすめします。
いつでも帰る場所はあるのだから、
合わなければ日本に帰ればいいだけです。
それを「失敗」というネガティブな表現をしている人もいますが、
自分のやりたいことに挑戦した時点で十分成功していると僕は思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
海外3か国に移住し海外在住歴10年以上の僕が、海外移住・海外就職についてまとめた1冊がこちらです。