カナダで2人、僕と息子が歩く道

離婚してシングルファザーになった著者がカナダで息子を育てる生活日記

笑わない息子

当時6歳の息子。この頃はまだ明るかった。


「毎日楽しい?」

 

学校から帰る車の中でぼくは息子に聞く。

 

 

「今はiPhone買ってもらうために(学校)行ってる」

「楽しくないの?」

「.....どっちでもない」

「iPhone買ったらHappy?」

「......うん」

 

 

ぼくはその言葉を聞いて安堵する。

 

 

息子がきちんと遅刻せずに学校に行って、やるべきことをちゃんとできたらiPhoneを11月に買うことになっている。

 

 

最近は寝坊で遅刻ばかりだったし、ひどいときは学校が終わった後に目を覚ますこともあった。

 

 

こうでもしないとなかなか改善しないので、クリスマスプレゼントを早める代わりに生活環境を改善するようルールを設けたのだ。

 

 

長男はもともとやんちゃで天真爛漫な子供だった。

 

そんな彼も次第に笑わなくなり、笑顔を見せることは全くなくなった。

いわゆる子供らしい元気も微塵も感じられない。

 

それもこれもぼくたち両親に原因があるのは理解している。

 

彼の心がすさんでしまったのは、家庭環境が良くなかったからだ。

本当に彼には申し訳ないことをしたと反省している。

 

 

(凌は人生楽しいんだろうか?)

(我が家に生まれてきて幸せなんだろうか?)

 

そんなことを考えることがよくある。

 

冒頭のような質問をしたのも、彼がどう感じているのか知りたかったからだ。

 

「幸せになってほしい」

 

それが父親としての一番の願い。

 

 

ぼくの質問に対して

 

「楽しいよ」

 

という答えが返ってくるかな、と思ったけど実際は違った。

 

彼の心の闇はまだまだ深そうだ。

その闇がいつか晴れるように光を注ぎ続けようと思う。

 

そしてまた、彼の笑顔を見たい。